今回からご紹介する建物は茅野市で標高1200mの高原にあります。
いつものように凍結防止帯はなく、設備品の水抜きが不要な建物を目指していますが
八ヶ岳を望むロケーションが良い場所なので施主様の希望により
大きな窓がいままでより多く使われます。。
ロケーションが良いということは当然風当たりも強い時もあります。
この2点により建物内が冷え込む恐れがありますので樹脂サッシはアルゴンガス入りトリプルガラスで
それにプラス長い間の地震や風圧の揺れから強度・断熱・気密性能が低下しない様
ボックス型のパネルを採用し内付加断熱に近い方法を考案しました。
これからその工事状況を徐々にご紹介してまいります。
そしてその成果は引き渡し後冬の温度測定によって明らかになります。
第三者検査機関による基礎の配筋検査を済ませ
7月1日予定していました上棟が長引く雨で延期となり
13日やっとクレーンによる建方作業が始まりました。
建物は八ヶ岳方面を望む東側が高く西側傾斜の
ビルトインガレージがある片流れの細長い形状になっています。
屋根の形が見えてきました。
この段階で怪しい雲が見えてきました。
絶対濡らしたくないのでシート養生を始めます。
この時点で今回導入しました耐震パネルが設置されていきます。
柱と柱の間にすっぽり入り土台と梁にもしっかり固定されます。
八ヶ岳方向に伸び上がる屋根が出来てきました。
弊社オリジナル日本古来の土蔵を参考に
独自の2重屋根通気工法を考案しこれまで何棟も建築してまいりました。
その工法は
垂木の上に張られた野地合板のジョイントには専用のテープを貼り気密を保持させます。
その上に4cmの通気層が確保できるように角材を屋根上部に向かって打ち付けます。
上部から空気が抜けるように仕組みます。
その上に無垢の杉野地板を打ち付け通気層を確保します。
野地合板で剛性と気密を取りその上は無垢の野地板を使うことで耐久性を高めています。
これを外壁内通気層と連続させることにより夏涼しく、建物もより健康に高耐久性能アップを実現しました。
防水用のフエルトを貼ります。
ジョイントの部分は念のためゴムの防水材を施します。
屋根の形が出来ました。
八ヶ岳に向かって飛び立つ滑走路のようです。
この様な金物が外部に出る部分は
断熱材で冷気が伝わらないようにして
テープを貼り気密を確保します。
このひと手間により熱橋による金物の錆も防げます。
この作業も2~3時間掛かりますが重要と考え
考案してから10年以上全棟実施してきました。
下の写真の様に耐震上計算外の開口部分周りにもボックス型のパネルがはめ込まれます。
この事により度重なる地震や風圧から次世代まで長い間、耐震・断熱・気密の確保が増す事と思います。
このパネルは静岡県浜松市にありますコーチ株式会社で製作されたものです。
次回はこちらについて詳しくご紹介いたします。