耐震から断熱まで

この度の能登半島地震により犠牲になられた方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、
被災されたすべての方々、そのご家族関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
そして一刻でも早い復旧をお祈りいたします。
建築に携わる者としてその責務を痛感するところですが自然の猛威には想像を絶するところがあります。
しかし、今後も予想される地震の被害を軽減させるため,現時点で可能な限りの努力を現場に反映させたいものです。
今回は弊社が建築している建物の耐震と断熱について,再度その一部をご紹介させていただきます。

上のチラシは2021年に採用し、現在すべての建物に標準として取り入れたコーチパネルです。
阪神大震災後筋違より大壁面材直貼りが強いと認識され木造建築はその方法が進んできました。
しかし、現在それ以上の強度が立証されたこのパネルを取入れる事が最善だと考えてからです。

強度計算をするのに壁倍率がありますが、このパネルは実験により国土交通大臣の認定を取得した
工場生産の精度の高い製品です。

弊社がこのパネルを採用し現在は標準化している主の理由はこの計算上の倍率の高さだけではありません。

上記の写真の様に計算上の耐力壁以外の開口部の周囲・屋根の下になる三角の部分も
隙間なくパネルがはめ込まれ、施工する我々もその強さを実感したからです。

また、その頃より壁の内側に40mmの空気層を設けその部分にも断熱材を施工する付加断熱を取入れました。
断熱材を構造部にすっぽりかぶせる上の図面のイメージです。

これにより柱からの熱橋を無くすだけでなく度重なる地震の振動にも追従し、長い期間
気密性を保ち断熱性能の低下を防ぐことが出来ると考えたからです。
上の写真は柱の内側に4cmの木材を打ち壁を厚くしたところに
下の写真はコンセントに気密ボックスを取付け室内の湿気を断熱部分に進入させない一工夫です。

現在工事中の標高約1600mの現場では昨年12月19日第三者検査機関により構造の検査を受け

その後断熱材の施工を行いました。地震の揺れに追従し断熱・気密が長持ちする
構造材をすっぽり覆いかぶすこの付加断熱工法を現在では標準としています。

省エネ計算で示すUA値は断熱材自身の性能数値に厚さを加え計算されますので
数字的性能が良い断熱材なら薄い施工でも計算上良いことになります。
計算上成り立っても実際冬凍結してしまっては困ります。
よって、可能な限り断熱材は厚く入れることを考えました。

断熱 ウレタン吹付後

2021年の施工図面では断熱材が凹んでいるように書きましたが現在ではほぼ平らに仕上がっています。
そして断熱材に湿気が入らない様に防湿シートで覆いコンセント気密ボックスは気密テープで仕上げます。

標高約1600mの工事現場の外の最低気温は1月22日現在マイナス12.9度を示しています。
次回はこちらの工事状況などをお知らせします。